旧竹葉会ブログ(移転しました)

千葉大学の和楽器サークル「紫千会」(旧:竹葉会)のブログです!

いとたけ考 6月

お久しぶりです。ひっさびさの投稿になってしまい、すみません!タイトルからお察しの通り、いとたけ考は月初めに書こうと思っていますので、今後ともご贔屓下さい!

新歓イベントもひと段落したところで、ふたを開けてみれば35名もの入会がありました。めでたいこと限りなし!これからが楽しみです(*^_^*)

ちなみに私は尺八部の部長ですが、会所蔵のプラ管がぼろくなってきていて、買い替えたいなぁ~と思っていたところに、およそ10人の尺部新入生が来てくれたので会計におねだりして6本「悠」を見事購入ができました。ちなみに「悠」とはプラ管の商品名なんです。ちゃんと名前付いているんですよ!ですが、これだとみんな「悠」なので、楽器管理ができません。「悠1号」のようにナンバリングするのも芸がないので、僕のほうで勝手に管理の名目で名前を付けています。例えば「はやぶさ」「とき」「白鳥」のような、鳥の名前、といいたいところですが、鉄道研究会に入っている僕が名前を付けている時点でお察しですね(^_-)-☆ 

最初は鳥の名前だと言い張っていたんですが、尺八のほうが特急の愛称の数を上回ってしまたので、最近買ったものには夜空に関して「北斗星」「カシオペア」「あけぼの」を命名しました(笑)

まあどれがどれだかわかりゃいいんですよ~(暴論)

 

今回は命名ネタで終わらせるのは雑すぎるので、プラ管を買いに泉州尺八工房へ行った時の話を書きたいと思います。

泉州尺八工房は東京の狛江にあるのですが、千葉からだと遠いですね。昼間に行ったらちょうど代表の三塚さんがいらっしゃったので、しばらくお話をさせていただきました。余談ですが、三塚さんは専修大学のOBさんで、泉州専修大学にちなんでいるんですね。泉州工房の尺八は「楽器」としての機能を最大限に引き出す改良がなされており、音量も音質もびっくりするくらい違います。尺八工房にはそれぞれ特徴や癖があるので、いろいろ行ってみたいものです。今回わざわざ泉州尺八工房へ行ったのも、泉州管を吹いてみたかったという僕の興味と、小田急線に乗りたかったという僕の本能であります。

話がそれましたが、三塚さんとの話のなかで「都山流と琴古流の吹分け」の話が印象的でした。

僕は個人で琴古流の師匠に師事していますが、竹葉会では都山流の先生なので、大学では都山流をやっています。そういうわけで、僕は「都山流と琴古流を吹分けている」と思い込んでいたのですが、三塚さんに「じゃあその吹き方ってどう違うの?」と突っ込まれたときに「あ、」と思いました。技法とか楽譜に関しては流派としての違いがありますが、吹分けというのはおかしな概念なんですね。そもそも都山流は明治になって西洋音楽の要素を取り込んで誕生したわけで、いわゆる「劇場向け音楽」です。これができる前はみんな琴古流を名乗っていたかというと、そうではありません。虚無僧尺八は各地のお寺によって「〇〇派☓☓流」(ex 根笹派錦風流 三谷清攬)とか「△△軒~」(ex 蓮芳軒 鶴の巣篭)のように分かれており、三曲のほうも一門ごとに系統は違っているはずです。それが都山流が「劇場音楽」としてまとまりを見せ始めたためアンチテーゼのようなものとして、それ以外が「琴古流」とまとまるようになったわけです。

要は、琴古流というものが都山流の対概念のようなものであるだけで、「民族音楽」「劇場音楽」という性質の違いに尽きるわけですね。やっていることは尺八を吹くことに変わりはないので、吹き方というよりはスタイルの問題なのです。

という、深ーい話を聴かせていただき、大変勉強になりました。

 

今月はこの辺で筆を置きます。

いとたけ考  5月

 

 

どうも、こんにちは!

GWで栃木に帰省している金子です。前回の宇都宮さんの記事から1か月も更新しておりませんでした…すみませんm(__)m

この1か月の間にいろいろなことがありましたので、今回は近況報告みたいな感じでまとめていきますね!

まず、なんといってもたくさんの1年生が入会してくれたことです。今のところ26名という、先輩ビックリの数です。うれしいですね~!

ちなみにまだ体験会もやるので、迷っている方もぜひ来てくださいね!

あと竹葉会は部室にある名簿に記名すると入会になります。まだ書いていない人も部室に書きに来てねー☆

あ、ごめんなさい…いつのまにか宣伝になっちゃいましたね(^_-)-☆

それにしても、こんなに多く入会してくれたのは単なる偶然なんでしょうか?

体験会で見ていて思ったのは、和楽器の知名度が上がっていることです。最近、和楽器バンドの活躍をよく目にされる方も多いことでしょう。先日僕が見たニュース番組では、和楽器バンドのアメリカ公演の様子を伝えていました。今やWAGAKKIが世界語になりつつあるんですね!

思い返せば僕が大勢の人前で初めて尺八を吹いたのは小5の音楽集会なる学校行事でした。あの時は今と違って和楽器を学校教育でちゃんと教えていなかったので、知っている人が少なく、肩身が狭かった記憶があります。時代は変わっているんですね(笑)

ところで、和楽器バンドの尺八をやられているのはわれらが竹葉会OBの神永さんということもあり、竹葉会の尺八部は千本桜をよくやってます(笑)

ちなみに僕が最近はまっているのは採点機能付きカラオケで尺八を演奏することです。これがおもしろいんですよ~

山形に免許合宿に行ってた時は尺八を持ってよく一人カラオケに行っていました。で、この遊戯をやるわけですが、千本桜を採点してみたら90点取れたんですよ!講評も細かく出してくれるんですが、「素晴らしいロングトーンです」って楽器だったらそりゃそうでしょっ!

僕は外吹き*1なので管尻にマイクを近づけると風の音が入らずに「歌え」ます。

ちなみに余談ですが、普通に歌って採点したら60点でした。はい、つまりそういうことです。

尺八カラオケ楽しいので、尺八部カラオケ大会(歌うとは言っていない)をいつかやろうかな~と思ったり。

1年生が多いと夢が膨らんで楽しいですね。

また、我々2年生も、先日行われた関東学生三曲連盟(以下学三)の新人演奏会にてベスト5入賞という好結果を得られました!

僕らがやった曲は「熊野讃景」という曲なんですが、他大の人からは「古曲なの?」という声が結構ありました。しかし、熊野讃景はれっきとした現代曲です。なんで勘違いする人が多いのかというと、山田流の古曲に「熊野」というのがあるんですね。でもこれ「ゆや」って読むんで(笑)

それと、一昨日ですが、国立劇場で行われた三曲名流演奏会に学三枠として僕を含め竹葉会から3名が出演してまいりました!素晴らしい舞台で演奏することができていい経験になりました。

最後は感想談になってしまいましたが、今回のいとたけ考はこんな感じで締めたいと思います。それでは、僕とはまた来月お会いしましょう。

 

*1:じつは尺八吹きには2種類の人がいて、管の外側に息が出る外吹きと管の内側に息が出る内吹きがあります。見分け方は管尻にライターを近づけて火が吸い込まれれば外吹き、消えれば内吹きです。最近は外吹きの人が多いみたいですね

しんかん!

こんばんは、かなえです!
まるでどこぞの青春系軽音部アニメのようなタイトルから始まった今回の記事では、主に新入生のみなさん向けに、サークルの新歓について話していきたいと思います。とても1期しか見られなかったなんて言える状況じゃない



最初に断言しましょう。
今年は4月6日から始まり、だいたい4月いっぱいまでのサークルの新歓期、それは授業の履修やら新天地での生活、人間関係に戸惑う新入生にとってはオアシスなのです!

なぜなら……
晩ご飯をタダ(サークルによってはお金がかかりますが、それでもごくわずか)で食べられる
・色々なところでご飯を食べられるから、西千葉付近のご飯屋さんに詳しくなれる
学部・学科の輪を超えた同期の友達ができる
先輩から履修についてアドバイスをもらえる(特に同じ学部・学科の先輩は心強い!)
サークルのことをよく知れて、自分がどのサークルに入ればキラキラ大学生活が送れそうか分かる(=新たな趣味、新たな世界の発見もあるかも!?



めっちゃお得じゃーん!!!
メリットしかないじゃーん!!!!!

そうです、メリットしかないのです。いいことずくしなのです!
この新歓による恩恵を受ければ受けるほど、理想の大学生活に近づけるといっても、過言ではございません(`・ω・´)
それほど新歓というのは新入生にとって重要なのです……!


……さて、ここまで読んでくださった新入生のみなさんは、こう考えているのではないでしょうか。
一体どこのサークルの新歓に行けば、どこのサークルに入れば、沢山の恩恵を受けられるのだろう?」と。


察しの良い方はお気づきでしょう。
そうです、ここ竹葉会です。




竹葉会です!(大事なことなので2回言いました)



和楽器……あまり馴染みのない人がほとんどなのではないでしょうか。触れる機会はきっと少ないし、やっている人も周りに少ないと思います。
しかし、だからこそ和楽器を演奏できる人」には希少価値が生まれるのです!!
例えいくら外見が量産型ゆるふわ女子大生だろうと、パンピー大学生だろうと、「箏弾けるんです」「三味線弾けるんです」「尺八吹けるんです」というだけで注目間違いなしです!!!
それからこれは私の実体験なんですけど、和楽器をたしなんでいるというだけで親戚や周りの大人の方々からの好感度が上がるんです。今時やっている若い子なんて珍しい、しっかりした子だ、なんて思われてるからかもですね。いにしえの文化パワー恐るべし。実際はまだ少ししか弾けないし、練習もあんまり真面目にしてn……ゴホンゴホン


「でも和楽器とかやったことないし……」「そもそも音楽経験無いんだけど……」という人でも安心!
竹葉会では新歓に際して『体験会』を開催します。
体験会では、なんと実際に竹葉会が所蔵している楽器に触れて、演奏ができるのです!!
もちろん、側には先輩がつくから、まったく音楽経験がなくても大丈夫♪
興味の持った楽器に触れてみてくださいね。
竹葉会一同お待ちしております!!
(ちなみに、体験会やご飯会にいる先輩には積極的に話しかけるが吉です。先述したように履修相談ができるというのもそうですが、みんなフレッシュな新入生と話がしたいのです。例え怖そうに見えても新入生と話したくてたまらないはずですので、じゃんじゃん話しかけてくださいね!)


新歓の情報は、竹葉会Twitter(@chikuyoukai)で随時発信していきますので、ぜひフォローしてチェックしてみてください!


それでは、新入生のみなさん、新歓でお会いしましょう(`・ω・´)ノ

いとたけ考 その2 ~金子 慎の随筆~

こんにちは、金子です。長かった免許合宿を終えて、免許証とともに現実世界へ戻ってきました。そしたらなんか2年生になってたんですね!え?見た目は2年生に見えn…) 

いや~びっくりしました。

そして、いよいよ後輩が入ってきます。他大ではすでに新歓イベントが始まっているようですね!

ということで、今回は前フリに全く関係ない古曲の魅力その2を綴っていきたいと思います。(まあ新歓系の記事は他の誰かがやってくれると信じて…

今回は曲中心に紹介したいと思います!

僕が好きな曲の一つは秋風の曲(光崎検校作曲)です。この曲はメロディーがとっても上品で、美しいんですよ!曲の舞台は長恨歌で知られる玄宗皇帝と楊貴妃です。比翼連理*1のもとになった二人ですからね!ステキです。

しかし秋風の曲は前半部分ほとんど唄がありません。箏が美しいメロディーを奏でるのです。唄がない部分ですでにアイデンティティができているって感じでしょうか。その証拠に、箏曲家の深海さとみさんが「秋風幻想」という曲を作曲されています。この曲は簡単に言うと、秋風の曲の唄がない部分をまとめたスタイルです。唄が苦手という人は秋風幻想から入ってみるのもいいと思いますよ!現邦において〇〇幻想といった、古曲をモチーフとした曲も意外と多いのです。

尾上の松(作者不詳)もいいですね~。この曲はもともと作者不詳の三絃の曲ですが、大正時代に宮城道雄が箏と尺八の手付けをし、華やかな三曲合奏のものになりました。スタイルは古曲ですが、箏と三絃がばらばらに動いたり、後唄が手事並みの速さであったりするところに宮城曲の特徴が見られます。この曲の面白い点は、尺八奏者が演奏するとき、楽譜通りにやる人がほとんどいないということです。つまり、自分オリジナルのアレンジをして演奏しているんですね。演者によって違いが大きいので、いろいろな人の尾上の松を聴くと面白いです。(今まで聴いた中で一番アレンジしているのは藤原道山さんでした)

最後は郭公(山田検校作曲)です。この曲は山田流の曲で、読み方は「ほととぎす」です。生田流には「時鳥の曲」というのがありますが、別物です。短めの曲ですが、実はこの曲、手事の途中に替手が六段の初段を弾くという仕掛けがあるのです。もちろん本手のほうは六段を全く彷彿させないメロディです。不思議なことに所々で音が合うようになっていて、きれいな合奏になるんですね。すげ~!  ちなみにこの六段は壱越*2の六段です。耳を澄まして聞いてみると六段が聴こえてくるはずですよ!

このように古曲には遊び心や物語性といった奥深いものが隠れています。この良さに気付くと、古曲のみならず、邦楽すべてが違って見えてくるはずです!(古曲編 完 )

*1:男女の情愛の、深くむつまじいことのたとえ

*2:壱越とはDのことで、一の音がDで始まる平調子を壱越平調子といいます。D平調子とか高平調子とも言います。Gで始まるものは双調といいます

いとたけ考 その1   ~金子 慎の随筆~

こんにちは。金子です。今僕は免許合宿で山形県に来ています。合宿なのでホテル連泊というちょっと贅沢な日々を送っておりますが、スケジュールが思ったよりもスカスカでです。さらにホテルのため楽器の練習ができない…(楽器は連れてきたんですが…笑) ということで、暇つぶしに随筆という形で自分の思っていることを綴っていこうと考えました。生意気な文章ですが、お読みいただけると幸いです。

ちなみになんで山形に来たかというと、山形新幹線に乗りたかったからですこれだから鉄道マニアは… ~(-o-)~ヤレヤレ

 

第1回では(←つまり連載するのかな…?)古典曲の魅力について自分なりに書きたいと思います。学三*1の中でも古曲が好きという人は少数派ですね。やはり堅いイメージが強いですからね。初めて邦楽に出会ったとき、「前唄」「手事」「ちらし」「後唄」といった構成にまず「」と思うに違いありませんよね!そして歌詞も当然古文調で親しみにくいうえ、曲と同化?するので何言ってるのかわからない(※尺八としての見解です)。そしてなんといっても曲が長いというのが「眠くなる」といわれる理由ではないでしょうか。

 

しかしですね、古曲はわかってくると魅力が多いんですね。古くは江戸時代の曲なので、年月というふるいにかけられて厳選されてきたのですから悪いものなどないのです。

古曲は大抵三味線がメインになり、箏はサブ的な位置づけですが、江戸後期になり、箏をメインとする曲も作られています。吉沢検校の「千鳥の曲」をはじめとする「古今組」といわれる曲がその代表例ですね。

ヨーロッパに目を向けると、ベートーヴェンをはじめとする「ウィーン古典派」が活躍していた時期で日本もヨーロッパも古典の再興キャンペーンをやっていたことになります。

話がそれましたが、要は古曲は絃方がメインであり、尺八は…飾りといったところでしょうか。特に琴古流の場合は三味線とおなじ動きをするので飾り感が強いですね(笑)都山流はオリジナルな感じがあるのでパートとしての印象が強いです。

 

で、僕が思うに古曲の尺八は「いかに絃方が作る世界を壊さずに、その世界を広げられるか」を意識することだと思うのです。フレーズの途中でブレスしたり、やたら装飾音をいれたり、鳴らしやすい音をドヤ顔でやたら鳴らしたりするのはせっかくの曲の世界を壊してしまうので、僕は演奏するとき気を付けるようにしています。

 

ていうくらい「世界観」が古曲はあるんですよ!僕が好きなのは菊岡検校の作品が多いですが、菊岡作品はしっとりした旋律や都節音階への転調が特徴?ですね。これに関してはまた別の機会に紹介したいと思います。

いろいろ書いているときりがないので(笑)、第1回はこんな感じで締めます~

*1:関東学生三曲連盟:東京周辺大学和楽器サークルの集まり